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2007-12-08

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http://www.jaes.jp/seminner/info_sem36.html

プログラムの概要

  • 午前: 自由報告
  • 午後: シンポジウム環境社会学の「研究戦略」はなにか
【企画趣旨】

 環境社会学は設立後15年を経て、担い手の世代交代が起きようとするタイミングになっている。また最近数回のシンポジウムは、隣接諸領域や現場・実践者との関係を主題化するものが中心だった。こうした中で、最近数年の動向や成果・課題を総括して、新しい展開の土台を作る試みを始める必要があると、企画者としては考える。そこで企画にあたって、1)あえて学としての制度に立ち戻り、社会学をバックグラウンドにした報告者を中心に配置する 2)中堅から若手と言われる世代の人が、比較的自由に環境社会学会という場の動向について意見を開陳できるような機会にする、ということを考えた。ただし、「環境社会学の新動向」とか「転換点」とかいうほど大げさではなく、各自の個人研究史や現在の関心を比較的自由にご報告いただくことを通じて、環境社会学という場の今後の展開可能性について、少しばかり「棚卸し」をしてみてはいかが、ということである。この種の「学会動向を振り返る」ようなシンポジウムは、他の連字符社会学会と比較すると、環境社会学会という場においては極端に少ないと思われる。

 環境社会学会の軸として「現場主義」ということが常に言われてきた。舩橋晴俊は「T字型の研究戦略」を唱え、いくつかの事例から理論へと向かっていく研究の方向性をモデル化した。また飯島伸子は、個別事例の収集を重視し『年表』に象徴される膨大な資料収集にもとづいた確実な実証研究の姿勢を貫いた。事例の積み重ねの中から一定の中範囲理論が生まれるということは環境社会学の共通認識のように見える。しかし、そのような「研究戦略」を可能にする認識根拠、背景となる文脈、あるいはそのような姿勢から実りを得るための知の「手つき」のようなもの、が明らかでないと、「現場主義」はしばしば素朴経験主義に陥る。また「研究戦略」そのものが、当初定式化された形のままでよいのか、という問題も当然ある。理論と取り組むことが最初、そのあと実証で立ち位置を見直すという姿勢もありうるだろう。あるいは、「研究戦略」を考えることに意味はない、そもそもそんな言葉は有害であるという意見もあるかも知れない。いずれにせよ、15年後に改めて「研究戦略」を意識化するという仕掛けを通じて、学会の来し方行く末を振り返りたいわけである。報告者は、このキーワードだけを共有して自由に報告を展開するが、基本的には各自の個人研究史を踏まえながら、ときには既存の環境社会学研究に言及しながら、他分野・現場・実践との関係や、理論と事例との関係、環境社会学を遂行していくうえで身体化されたスキル、などを議論する。最後の論点については、前回の「市民調査の可能性」の続編という意味合いを持つ部分があるかもしれない。

 環境社会学は、他分野との相互浸透を必然とする一方、出入り自由な場として存立危機にさらされやすい脆さももつ(もちろん、そのようなアドホックな場で構わないという考え方もありうる)。一方では、本来持ちうる、あるいは持つべき、可能性を十分に展開せずに自閉しているという指摘もある。たとえば保健医療や都市環境への展開といった、国際的に注目されている部分への日本環境社会学の貢献は今のところ小さい。こうした「環境社会学の潜在的な広がり」に対して、学会としてはどう対応するのか。一方でよりミクロに視点をズラすと、研究者各自の現場における対象社会との取り組み方にも偏差があるはずだ。このように「研究戦略」は現場レベル・研究者の個人史レベル・学会(史)レベルの3つの水準で論じることができる。それらについて、総括と展望の前段としての論点の掘り起こし、棚卸しをすることも有益であろう。したがって、本シンポジウムに明確な「落としどころ」や「結論」が期待できるはずもないが、たまには立ち止まって、いま-ここの「場」そのものの来し方行く末について、普段言いにくいことをぶつけあうのも良いのではないだろうか。

  • 【第1報告】報告者 湯浅陽一(関東学院大学)
  • 【第2報告】報告者 関礼子(立教大学
  • 【第3報告】報告者 谷口吉光(秋田県立大学)
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