2011-05-28
■ [soc] 日本社会学理論学会研究例会「現代社会理論とシステム理論──ニクラス・ルーマン理論をどう活かすか」

現代社会理論とシステム理論──ニクラス・ルーマン理論をどう活かすか
- 司会 赤堀三郎(東京女子大学)
報告者1
報告者2
■ [Hu] 第七四回 哲学/倫理学セミナー

http://pe-seminar.web.infoseek.co.jp/
- 平成22年5月28日(土)13時30分から16時40分まで
- 於 文京区民センター 3-B会議室
http://pe-seminar.web.infoseek.co.jp/map.html第一部 13時30分から15時00分まで
- 構想発表 「デリダにおける「神」の問題」鈴木 康則
「他者」にかんする哲学的議論の多くは、「他なる人間」を想定していように思われる。しかしデリダの場合、時として「他者」を「神」と重ね合わせて論じている。デリダの議論において、「神」はいかなる意味を持っているのであろうか。この場合、デリダとユダヤ教、あるいはキリスト教などの、特定の宗教にかかわる個人的信念が問題なのではない。彼自身の哲学的探求と「神」との関係が問題となる。
比較的早い時期に書かれた論文である「差延」においては、自身の思考が(いわゆる)「否定神学とは区別される」ことを強調していたが、後年「否定神学」の多様性に注目し、神学的アプローチに分析を加えている。「神」に関する議論の増加は、例えばジャニコーがレヴィナスやアンリにおける「神学的転回」を論じた事態に重なるものであるのかは自明でないが、まずデリダにおける「神」がどのような筋道において問題とされているのかを考えてみたい。
- 【参考文献】
- "Comment ne pas parler Denegations" in Psyché: Inventions de l'autre, tome 2, Galilee, 2003. ISBN:2718605022
- 『死を与える』廣瀬浩司、林 好雄訳、ちくま学芸文庫、2004年。
- 『名を救う―否定神学をめぐる複数の声』小林康夫、西山雄二訳、未来社、2005年。
第二部 15時10分から16時40分まで
- 発表 「ヘーゲルにおける〈自己感情〉の概念」池松 辰男
主人における欲望の充足、意識における神との直接的な接触、動物における有機的生命の維持、そして心身の統一など、これらさまざまにことなったことがらを指して、ヘーゲルはしばしば「自己感情(Selbstgefühl)」という言葉をもちいている。「自己意識Selbstbewusstsein」とくらべて散逸的なその言葉づかいをつうじて、「自己感情」がしめしているのは、身体をもち、欲望へと駆り立てられるところの有機的な生命としての、「自己意識」とはことなる自己のいまひとつのありかたではないだろうか。自己感情は、それ自体としては、労働や習慣といった営みをつうじて超えられてゆく契機にすぎない。それでもなお、まさにそれらの営みが具体的にいかにして成り立つかをみとどけるために、かならずしも判明でない件の概念の成り立ちをいますこしていねいにみさだめることには、充分に価値があると思われる。本発表の主題は、ヘーゲルにおける「自己感情」をめぐる言葉づかいを整理し、その意味するところと、それがほかの諸概念にたいしてもつ積極的な意義をみいだすことにある。
- 【参考文献】
- G.W.F.ヘーゲル『精神の現象学』ISBN:4000918753
- G.W.F.ヘーゲル『エンチュクロペディー』(初版/2版/3版) ISBN:4309970737