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2014-07-05 [ 日曜社会学>社会学的告知のカレンダー ]

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2014-07-05

[] 早稲田社会学会大会

  • 日時: 2014 年 7 月 5 日(土)10:30〜18:00
  • 会場: 早稲田大学文学学術院(戸山キャンパス) 33 号館 3 階 第1会議室
  • 参加費: 1,000 円(学部生は無料)

一般報告 10:30〜12:00

大会シンポジウム 13:30〜17:00

  • テーマ「当事者主義の現在――ネオリベラリズムに直面する当事者と支援者」
  • 報告者(報告順)
  • 岡部耕典(早稲田大学)障害と当事者をめぐる支援の現在――「自立」と自律のポリティクス
  • 飯野由里子(東京大学大学院)「支援」をどう政治化していけるか?――「ケアする側であると同時にケアされる側でもある」という立場性を活かしつつ
  • 天田城介(立命館大学)当事者主義をめぐる社会学――その社会を診断する
  • 討論者:渋谷望日本女子大学大学)
  • 司会者:麦倉泰子(関東学院大学

<趣旨説明>

 本研究活動委員会では、2012年度より3年間「当事者性と支援を問う」というテーマを掲げて連続シンポジウムを企画してきた。今回はその最終回として、「当事者主義の現在―ネオリベラリズムに直面する当事者と支援者」というテーマのもと、障害や高齢者などのケアの当事者と支援者との関係性について考えていきたい。

 障害や高齢者といったケアの受け手としての「当事者」と、ケアの担い手である労働者という二者はこれまで、家族関係やケアを支えるシステムのなかで構造的な問題を抱え、様々な葛藤を経験してきた。これに加えて近年ではネオリベラリズムの進行とともに、新しく経済的な格差の広がり、貧困という問題が二者の間に出現しつつあるように思われる。ヨーロッパでは1990年代後半以降、パーソナル・アシスタンスのあり方をめぐって障害学とフェミニズムとの間で激しい論争が生じている。障害者の自立生活の実現のために作られたパーソナル・アシスタント制度は障害当事者の自由を拡大させた。しかし一方でケア労働の対価は安く、非正規雇用でしばしば労働法の規制を受けないことから、女性やマイノリティ、正規雇用を見つけることの難しい若者がケア労働の主な担い手となり、貧困と社会的格差を生み出す場となっているという批判も生じている。こうした葛藤が生み出される背景はいまだに十分に検討されているとは言い難く、さらなる考察が必要であると思われる。障害者や高齢者など、他者によるケアを必要とする人たちと、彼らをケアし支援する人たちが、互いの願いを蝕まれることなく、利益を損なうことなく、共生するためにはどのような課題を解決するべきなのだろうか。いまある資源のなかで何を使うことができるのだろうか。また、その一つの解決策とも考えられる「官・民・共」における共セクターは日本において今後確立していく可能性はどの程度あるのだろうか。今回のシンポジウムはこのような問題を討議する場としたい。

 岡部耕典氏には、第一シンポジストとして、2000年代に入りめまぐるしく障害者をめぐる法制度が変化する中で、障害の当事者、家族、そして支援者の関係性は何が変わり、何が変わらなかったのか、そして今後どのように変化していくべきなのかについて論じていただく。「当事者」「支援者」とはだれを指すのかについても議論したい。飯野由里子氏には障害学とフェミニズムの交錯という観点からご発題いただく予定である。特にケアワーカーとして働くことの多い女性の労働問題と、障害者の自己決定を支えることは、ケア労働に対する賃金が低く設定されている現在において時に利益が相反することもある難しい問題である。この課題を「当事者と支援者」の関係性をジェンダーという新たな視点から検証していただく。天田城介氏には、このような「当事者と支援者」の関係性を老いという視点から再検証していただく予定である。障害当事者、家族、支援者ともにライフコースのなかで老いを経験し、必要な支援の内容も変化していく。また、利用可能な資源が歴史的に変化する中で、老いのイメージ、老いをめぐる社会関係も影響を受け変化している。歴史社会学的な観点から、当事者性と支援を問い直す試みを行っていただく予定である。

 障害、ジェンダー、老いという三つの視点からの当事者性と支援を問い直す試みに対して、ケアをめぐる労働とネオリベラリズムの観点から研究を行ってこられた渋谷望氏からコメントを行う予定である。 (文責:研究活動委員 麦倉泰子)


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